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半幅帯の結び方10選【わかりやすく解説】種類や素材も紹介

半幅帯は、名古屋帯や袋帯に比べて幅が細く、カジュアルで多様な結び方ができるのが特徴です。どんな結び方があるのか、種類や素材も一覧で紹介しますので、半幅帯を使ってみたいという方はぜひ参考にしてみてください!

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半幅帯の結び方10選

着物の帯画像

半幅帯の結び方10選を紹介します。半幅帯は、結びやすく、アレンジもしやすいため、自分好みの結び方を見つけてチャレンジしてみてください。

貝の口結び

落ち着いたイメージで大人の女性向けの結び方です。

男性の帯結びの定番でもあります。

  1. 手先50cmほど取って半分に折り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. しっかり引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイント。

  1. たれを腕の長さ分、内側に折り返します。
  2. たれが上、手先が下になるようにたらし、ギュッと結ぶ。
  3. たれをおろし、内側に斜めに折る。
  4. 手先の輪が下になるようにたれに通す。
  5. 帯の形を整える。
  6. 結び目の上の部分と左脇の帯下を持って結び目を背に回す。
  7. 完成

文庫結び

浴衣の定番となっている結び方です。

蝶々むすびのような形で、アレンジしやすいのもポイントです。

  1. 手先50cmほどを取り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. しっかり引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイント。

  1. 手先を右肩からおろし、たれ先が上になるようにして固く結ぶ。
  2. てを右肩に掛け、肩幅の長さ分たれ先を内側に折りこみます。
  3. たれを再度内側に折り込んで羽根をつくる(すのこだたみ)
  4. 羽根の中央を持ち谷折りにして、2つ山ひだをつくる。
  5. 右肩のてを結び目下から1回通し巻きつける。
  6. もう1度結び目にてをくぐらせて上に引っ張る。
  7. 手先を帯と帯板の間に入れ込み、下から引っ張る。
  8. 手先を広げて内側に折り、帯の中に入れ込む。
  9. 羽を整えて結び目を背に回す。
  10. 完成

レイヤー結び

簡単で崩れにくく、大人っぽくもかわいくも見せられる初心者の方にもおすすめの結び方です。

  1. 手先は帯幅の2倍を取り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. 引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイント。

  1. たれを脇から斜めに折りあげ、手先を上にしてしっかりと結ぶ。

結ぶ位置は胴に巻いた帯の上線に乗せるのがポイント。

  1. もう1度手先を上に固く結ぶ。
  2. たれを肩幅くらいの長さで屏風たたみにする。
  3. たたんだ束を全てまとめ、結び目へとくぐらせる。
  4. 上の束を結び目にかぶせ、形を整えます。

※手先が長く残ってしまっている場合は、結び目の下を通してレイヤーの上に出す。

  1. 結び目を背に回す。
  2. 完成

みやこ結び

崩れにくくて大人っぽく、羽根の上にヒラリとたれが乗った帯結びです。

  1. 手先50cmほど取って半分に折り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. しっかり引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイント。

  1. たれを斜めに折り上げ、手を上に固く結びます。
  2. 手先を上にかけて蝶々結びをする。
  3. たれは完全に引き抜かず下ろした際に、おはしょりにかかる程の長さに調整する。
  4. 手先も結び目の内側から上に通す。
  5. 全体のリボンの形を整えて結び目を背に回す。
  6. 完成

カルタ結び

半幅帯を折り畳んで、平面的で四角い形を作ります。簡単で 崩れない帯結びとして人気です。

  1. 手先60〜80㎝以上取りクリップで印をつけ、クリップから直角に帯を折る。
  2. しっかり引き締めながら2周巻きつける。
  3. たれをクリップで脇下に留め、手先を下から上に折り上げる。
  4. 手先を胴帯と帯板の間に通し、下に引き出す。
  5. ピッタリと引き締めてからクリップを外す。
  6. たれを横に折り返し、身幅くらいの長さでパタパタと畳む。
  7. 手先を上に持ち上げ胴帯の中に通し、下から引き出す。
  8. 形を整えて結び目を背に回す。
  9. 完成

片ばさみ

武士が着流している時の結び方で、激しく動いても崩れないのが特徴です。

  1. 手先50cmほど取って半分に折り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. しっかり引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイント。

  1. たれ先を内側に折り返し、手先とたれ先を同じ長さにする。
  2. たれ先を手先にくぐらせ、たれ先が上になるよう結ぶ。
  3. たれ先を体に巻いた帯の間に挟み込み、下から引き出す。
  4. 手先を折り上げて結び目の間に入れる。
  5. 形を整えて結び目を背に回す。
  6. 完成

吉弥結び

スッキリとした大人の印象で、ヒップを隠せるため体型カバーできる結び方です。平面的で椅子に座っても帯の形が崩れないのが特徴です。

  1. 手先50cmほど取って半分に折り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. しっかり引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイント。

  1. たれを斜めに折りあげ、たれ先が上になるよう固く結ぶ。
  2. たれを半分内側に折り、右肩に掛けクリップで留める。
  3. 手先を左肩に向かって、斜めに折り上げる。
  4. 右肩のたれを下ろし、半分に折った帯のさらに半分の位置を持って手の後ろに通す。
  5. 帯は引き抜き切らず、先を15㎝ほど残しバランスを整える。
  6. 帯の中に手の上から帯締めを通し、後ろで仮結びする。
  7. 帯締めをキレイに結び直し、結び目を背に回す。
  8. 完成

割り角出し

お太鼓の横からチラッとみえる羽根が可愛らしい結び方です。浴衣やカジュアルな着物を少し大人っぽく着たいときにおすすめです。

  1. 手先30cmほど取って半分に折り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. しっかり引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイント。

  1. 胴に巻いた帯を斜めに折り上げ、手先の上にたれを重ねる。
  2. 手先をくるむようにたれを引き上げ、たれを全て抜き、手先とたれを両手で持って固く締める。

手先とたれをまっすぐ縦にして締めると、しっかりと締まります。

  1. 手先を上に折り返し手先の上にたれを重ね、手先をくるむように、たれを下から引き抜きます。
  2. 手先と同じ長さ分たれを引き抜き、手先とたれを持ち固く結ぶ。
  3. 結び目の下にあるたれを左右に開く。
  4. たれを胴に巻いた帯と結び目の間に下から通して引き抜き、結び目の上に重ねる。
  5. もう1度同じところにたれを通し、途中まで引き抜きます。
  6. 1回目のようにすべて引き抜かずに、たれ先を少し残します。長すぎるとバランスが悪くなるため、胴に巻いた帯の下線から5cmくらいを目安にしてください。
  7. 形を整えて結び目を背に回す。
  8. 完成

二筋太鼓

お太鼓結びのようなシルエットで、きちんと感があり大人っぽい結び方です。

  1. 手先を半分に折り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. 帯の巻き始めを三角に折り、しっかり引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイントです。

  1. たれを脇から斜めに折りあげ、手先を上からおろし、たれ先が上になるようにして固く結ぶ。
  2. たれ先と手先が同じ長さかを確認し、たれ先と手先を重ねて結び目の下から上に通し、結び目にかぶせるように垂らす。
  3. たれ先と手先を横にずらして帯揚げをかけ、後ろで仮結びをする。
  4. お太鼓のたれの長さを好みに合わせて決め、胴に巻いた帯の下のラインで仮紐でおさえて後ろで結ぶ。
  5. 帯を下ろして、お太鼓を作ります。
  6. 帯締めを中に通し、後ろで軽く結んで余りは脇に挟む。
  7. お太鼓の形をととのえ、お太鼓を右手で上からつかみ、右回りで後ろに回す。
  8. 仮紐を取り、帯揚・帯締めを結び直す。
  9. 完成

矢の字結び

カタカナのヤに似ている形で、簡単で、平らなので崩れにくく安定感があります。

  1. 手先50cmほど取って半分に折り、右肩に掛けてクリップで留める。
  2. しっかり引き締めながら2周巻きつける。

帯は前に引っ張らずに真横に引くのがポイント。

  1. たれを上にし手先の下をくぐらせ、たれをすべて引き抜き固く結ぶ。
  2. たれを下ろし、お太鼓になる部分の上辺をまっすぐに直す。
  3. たれを膝下くらいの位置で折り返し、斜めに折り上げる。
  4. 折り上げたたれを斜めに内側に折り、左の羽とたれを作る。
  5. 手先を2つ折りのまま、お太鼓の中に差し込む。
  6. 帯締めを輪の中に通し、後ろで仮結びしておく。
  7. 完成したヤの字結びの形を整える。
  8. 結び目を背に回す。
  9. 完成

半幅帯の種類

帯画像

半幅帯は、袋状に織られた「小袋帯(こぶくろおび)」と、単衣に織られた「単衣帯(ひとえおび)」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を紹介します。

小袋帯

2枚の生地の端を縫い合わせて袋状にしたものが「小袋帯」です。

 表地と裏地の柄行きが異なり、どちらを表にしても良く、結び方や帯のデザインで見え方を大きく変えることができます。

デザインが多種多様でカジュアルなシーンでも使いやすく、浴衣や着物に使えて通年使用できるため、とても汎用性の高い帯です。

単衣帯

1枚仕立てのため薄手で軽やかな帯なのが「単衣帯」です。

小袋帯の約半分の薄さで、夏向きの帯と言えます。デザインもカラフルな模様が多く、現代的なラメが装飾されたものもあり、シチュエーションごとに使い分けるのがおすすめです。

半幅帯の素材

着物の帯画像

半幅帯の素材は正絹だけでなく、麻・ポリエステル・木綿など様々です。それぞれの素材の特徴を紹介します。

正絹

絹100%でできた正絹の半幅帯は、緩みにくく締めやすいのが特徴です。

値段は高いですが特有の美しい光沢があり、耐久性もあるため長く使い続けられます。

保湿性が高く通気性も良いため、オールシーズン使用できる点も魅力です。

ポリエステル

ポリエステルの半幅帯は、もっとも安価で購入しやすいのが特徴です。

滑りやすく柔らかいため、初心者の人が扱うのは難しいかもしれませんが、デザインが豊富で、洗濯機で洗えてお手入れがしやすいです。

木綿

木綿の半幅帯は、価格が安く丈夫なのが特徴です。

緩みにくく締めやすいというメリットがある反面、結び目がごわつきやすいため、初心者が使いこなすのは難しく感じるかもしれません。

ある程度帯結びに慣れてから使用することをおすすめします。

麻の半幅帯は、夏向きの帯です。

自宅の洗濯機で洗えますが、シワがつきやすいため保管方法には注意が必要です。

麻は通気性がよく、肌触りもひんやりして気持ちが良いため、暑い夏を涼しげに過ごすのにぴったりの素材です。

ウール

ウールの半幅帯は暖かく、冬向きの帯です。

締め心地が良く、シワになりにくいのが特徴です。分厚くて保湿性が高いため、寒い冬にぴったりの素材です。

まとめ

本記事では、半幅帯の結び方や種類、素材の特徴を紹介しました。

半幅帯は、結び方や素材によって印象が大きく変わるので、その日の気分によっても自由にアレンジできます。色々なものを試して、着物の着付けをぜひ楽しんでください!