長襦袢とは【肌襦袢・半襦袢との違い】役割や手入れ、値段、保管方法等をわかりやすく紹介!

長襦袢の画像

着物の中に着用する長襦袢とはどういうものなのかを徹底紹介!

長襦袢の種類や購入時の選び方、値段の相場、どこで購入できるのか、着用するメリットなどもひとつひとつ丁寧に解説しています*

さらに、長襦袢は色味が薄いものが多いですが、なぜ淡い色なのかなどのちょっとした疑問もお答えします。

ぜひチェックしてみましょう。

目次

長襦袢とは?

長襦袢(読み仮名:ながじゅばん)とは、肌襦袢と着物の間に着用する丈の長い肌着のことです。

洋服に例えると着物がジャケット、肌襦袢が肌着であり、長襦袢はジャケットの下に着るTシャツなどのインナーの役割をします。

長襦袢には着崩れを防ぐ役割や、寒い時期に体を保温する役割を果たしています。

また、白やピンクなどさまざまな色の長襦袢があり、着物の袖や裾から覗く「刺し色」として、おしゃれにも活躍します。

男性でも長襦袢によって隠れたおしゃれが楽しめるので、長襦袢に詳しくなると着物上級者にぐっと近づきますよ*

長襦袢と肌襦袢の違いとは?

肌着の「肌襦袢」とインナーの「長襦袢」

「肌襦袢」とは、汚れ防止や保温のために長襦袢の下に着用する和装下着です。

袖や裾から見える長襦袢と違って、肌襦袢は外側から見えないように着用します。

着物を着る順番は、①肌襦袢→②長襦袢→③着物となっています。

肌襦袢には着物の汚れや汗じみを防ぐ役割があるため、長襦袢と同様に大切な役割を果たします。

肌襦袢と長襦袢は基本的にセットで着用する、下着とインナーのようなものだと覚えるとよいでしょう。

長襦袢でも肌襦袢でもない「半襦袢」とは?

半襦袢は、長襦袢と肌襦袢の良さを両方兼ね備えているものであり、半衿がついていることから「半衿つき半襦袢」とも呼ばれています。

半襦袢の特徴といえば、丈が短く、腰からくるぶしまでの裾除けと合わせて着用します。また、汗や皮脂から着物を守り、着物からちょっと魅せるおしゃれも楽しめるのです。

半襦袢を使用する際は、長襦袢は着用しないのが一般的となります。

長襦袢の種類

長襦袢にはいくつか種類があるため、それぞれどんな特徴があるのかをチェックしてみましょう!

一般的な「一部式の長襦袢」

「一部式の長襦袢」とは対丈(背丈に合った長さ)の長襦袢を言い表し、一般的なモデルとなっています。

一部式の長襦袢を作る際には、着物の裾から見えない長さを選びましょう。

Lisa
洗濯機で洗える化繊素材の長襦袢もあるためおすすめです*

おすすめの「一部式の長襦袢」

上下の動きが響きにくい「二部式の長襦袢」

「二部式の長襦袢」とは上の半襦袢と下の裾よけに分かれた、2ピース式の長襦袢です。

上下に分かれているため、下半身の動きが上半身に響きにくく、衿元が着崩れしにくいという特徴があります。

洗える素材で作れば、汗をかくたびに洗濯機で洗うことができて便利でしょう。

おすすめの「二部式の長襦袢」

袖丈が気にならない「半衿付き半襦袢」

「半衿付き半襦袢」とは、半衿の付いた長襦袢です。

着付けの際、長襦袢に半衿を後から付けるのが一般的ですが、半衿付きの長襦袢は衿が最初からついているので簡単に着付けられます。

また、袖が筒袖(振りがなく細い袖口の形)になっているものもあり、合わせる着物の袖丈に関係なく着られる点も魅力です。

着られるのはカジュアルなシーンに限られますが、お手入れも簡単で金額も安いので、1枚あると重宝するでしょう。

Lisa
裾さばきに慣れていない男性にもおすすめの長襦袢です!

おすすめの「半衿付き半襦袢」

簡単に着られる「うそつき襦袢」

「うそつき襦袢」とは、半衿がついている肌襦袢のことです。

本来は肌襦袢の上に長襦袢や半襦袢を着ますが、うそつき襦袢であれば肌襦袢の上に長着を着られます。

うそつき襦袢はほかにも便利な機能を備えており、たとえば袖がマジックテープで簡単に取り外しできたり、筒袖の襦袢として使えたりします。

暑い時期に長襦袢を省略できるため、涼しく快適に着物を楽しみたい方へおすすめの襦袢です。

Lisa
袖を取った長襦袢は洗濯機で洗えるためお手入れも楽になります*

おすすめの「うそつき襦袢」

また、うそつき襦袢は袖の色を取り替えることもでき、その日の気分や長着の柄に合わせてコーディネートできます。

色々な種類の替え袖があるので、季節や気分に合わせて選ぶと良いでしょう。

袖を取った長襦袢は洗濯機で洗えるためお手入れも楽になりますよ*

長襦袢の選び方

白い長襦袢の画像

長襦袢の役割が分かったところで、最適な長襦袢の選び方を解説します!

初めて長襦袢を購入する方は、ぜひ参考にしてください。

色|フォーマルにも使える万能な「白」がおすすめ

白い長襦袢はフォーマルにもカジュアルにも使えるため、色々なシーンで着まわすことができる万能なカラーです。

また、黒留袖や色留袖といった「第一礼装は白い長襦袢を合わせる」というルールがあるため、はじめて長襦袢を作る方はまずは白を選べば間違いないでしょう。

サイズ|裄丈や袖丈は二分(約6mm)短めを選ぼう

裄の長さは着物より二分(約6mm)短めを選ぶことで、動いたときに袖口から着物が出てしまうことがありません。

また、袖丈(振りの長さ)も同じく二分(約6mm)短めにしてください。

短すぎると着物にそわず長襦袢の袖が出てしまいますし、長すぎると折れ曲がって見えてしまうのでNGです。

裄丈と袖丈は必ず着物のサイズから二分(約6mm)控えたものを選ぶようにしましょう。

長襦袢のサイズは上に着る着物のサイズと合わないと、

裄や袖から長襦袢が出てしまうことがあるため注意しましょう!

長襦袢の値段相場

長襦袢とは値段がいくらぐらいするものなのか、値段相場についてご紹介いたします*

約2,000円前後~20,000円前後と幅広い!販売店による

長襦袢の金額は、下は2,000円から上は20,000円前後までが相場です。販売店によるため、利用する店舗で確認すると良いでしょう。

長襦袢の種類別で値段が低い順で並べると

①半襦袢

②うそつき襦袢

③二部式の長襦袢

④一部式の長襦袢

このような順番となります。

また、木綿の肌襦袢に半衿を付けた半襦袢は安い値段で手に入ります。

一番値段が高いのは、正絹の長襦袢を反物からマイサイズで仕立てるタイプです。

化繊の長襦袢は安く購入できるため、予算と用途に合わせて選びましょう。

Lisa
化繊の長襦袢は安く購入できるため、予算と用途に合わせて選ぶと良いです。

長襦袢はどこで買う?

百貨店

長襦袢とはどこで売っているのか知りたい方はぜひ以下のお店をチェックしておきましょう!

伊勢丹や高島屋などの「百貨店」

伊勢丹や高島屋といった百貨店には、ほとんどの場合「呉服売り場」が存在しています。

なかでも長襦袢は着物を着る際の必需品なので、呉服売り場のある百貨店なら高い確立で見つけられるでしょう。

二部式の長襦袢やうそつき襦袢が欲しい場合、店頭になくとも相談すれば取り寄せてくれる場合もあるので、希望の長襦袢があることをスタッフに相談してみましょう。

着物専門の「呉服屋」

着物の専門店である呉服屋では、様々な種類の長襦袢が揃っています。

既製品や仕立てる反物の長襦袢がある店もあるため、探してみると良いでしょう。

実際に店へ行き、店員さんに合わせたい着物の種類や色柄、着るシーンを相談すれば、用途に合った長襦袢をおすすめしてくれます。

サイズが不安な場合には、合わせる着物を持ち込めば細かく採寸してサイズに合った長襦袢が購入できるので、初心者でも安心して購入できる場所です。

Amazonや楽天市場などの「ネット通販サイト」

Amazonや楽天市場などのネット通販サイトでも、多くの長襦袢が販売されています。

様々な色柄、素材の長襦袢が一度に見比べられるので、自分のペースで好みの長襦袢を探せるという点がネット通販サイトのメリットと言えるでしょう。

大手通販「長襦袢」売上ランキング

こちらでは各大手通販サイトによる、着物向けの補正下着の売り上げランキングをまとめてご紹介しています。ぜひこちらも合わせてチェックしてみてくださいね。

ネットで購入する際に注意したい点はサイズ合わせです。

気に入った長襦袢を決めたら、手持ちの着物とサイズが合うかよく確認してください。

自身の着物の寸法をきちんと測り、購入する長襦袢のサイズ表示を確認して寸法の合った長襦袢を選ぶことが大切です。

「しまむら」や「ユニクロ」で長襦袢・肌襦袢を買える?

調べたところ、しまむらやユニクロなどのアパレルブランドでは、長襦袢や肌襦袢を購入することはできないようです。

ネット通販で買うことに抵抗がある方は、近くに着物専門店や呉服屋が無いか探して購入しましょう。

長襦袢を着るメリット

着物の着付け画像

長襦袢を着用するメリットをご紹介します!

「着るのが面倒くさい」「夏場は暑くて着たくない」と感じることもありますが、長襦袢を着ることでより着物が楽しくなることもあるので、ぜひ一緒にチェックしてみましょう!

着物をより美しく見せる

長襦袢を着るメリットのひとつは、着物姿を美しく見せるところです。

しなやかな絹の素材は滑りやすいので、下に長襦袢を着ることで滑りが収まり、より綺麗な着こなしをすることができます。

着物の下に着る長襦袢が綺麗に着られていれば、長襦袢の形に着物が添い着姿が美しく整います。

着物を汗や汚れから保護する

長襦袢を着るメリットのふたつめは、着物を汗や皮脂の汚れから保護する役割があるという点です。

着物を着用していると、衿や袖口、裾に汚れがつきやすいですが、下に長襦袢を着ることで着物が直接汚れるのを防いでくれます。

とくに正絹は汚れてしまうとお手入れにお金と手間もかかります。

サイズのあう長襦袢を着て、お着物をキレイに保ちましょう!

Lisa
とくに正絹は汚れてしまうとお手入れにお金と手間もかかります。
サイズのあう長襦袢を着て、お着物をキレイに保ちましょう!

長襦袢の色が淡い理由とは?

長襦袢とはどうして淡い色のものが一般的なのかを解説します*

どんな着物にも合わせやすいから

長襦袢の色は、薄ピンクやクリーム色といった淡い色合いが一般的です。

その理由には、淡い色の長襦袢であれば着物の種類や色柄を選ばず着用ができる点が挙げられます。また、上に着る着物が淡色の着物でも長襦袢が透けて見えないことも理由のひとつでしょう。

淡い色合いの長襦袢が1枚あればフォーマルな着物からカジュアルな着物まで着物の色を問わず幅広く対応でき、とても重宝するためおすすめです。な着物まで着物の色を問わず幅広く対応できるため、とても重宝するためおすすめです。

長襦袢は自宅で洗える?

洗濯をしている女性の画像

長襦袢は自宅で洗えるものもあります。

しかし、全ての製品が自宅で洗濯可能なわけではないため、製品ごとにチェックすることが大切です。

無理矢理選択すると、縮んだり色移りしたりし、長持ちしなくなってしまうこともあります。

数回着たら着物や帯と一緒にクリーニングに出し、綺麗な状態を保つようにしましょう。

長襦袢や着物クリーニングについてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

長襦袢のたたみ方と保管方法

和服を畳んでいる様子の画像

長襦袢のたたみ方と、正しい保管方法について解説します!

長襦袢のたたみ方

長襦袢は以下のような手順でたたむと綺麗に保管できます。

長襦袢を床に広げ「右前」の形にして整える
身頃を中心へ向けてたたみ、袖だけ折り返す
反対側も同様にする
裾を折り身丈を半分にして整える

洋服のTシャツをたたむような手順と同様ですが、このたたみ方にすることでシワもなく綺麗に保管できます。

長襦袢の保管方法

長襦袢も着物と同様に「たとう紙」へくるみ、桐たんすや衣装ケースへ保管しましょう。

虫食いやシミ、カビを防ぐため、保管前は必ずクリーニングすることをおすすめします。

また、定期的に外へだし、日陰で「虫干し」することで、劣化を防ぎ綺麗なままで着続けられますよ。

着物の保管に関する情報は、「着物収納おすすめ20選【徹底解説】素材・種類・注意点・選び方をわかりやすく解説」でも解説しています。

まとめ

長襦袢は単なる下着ではなく、「隠れたおしゃれ」を表現するための重要アイテムです。

素敵に着物を着こなしている人の多くは、TPOや利便性を踏まえたこだわりの長襦袢を身に着けているものです。

着物や帯だけでなく下に着る長襦袢も自分好みの色柄の物を身に着けることで、ワンランク上のおしゃれを楽しみましょう。

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この記事を書いた人

「着物とりっぷ」は、着物でお出かけしたくなる、着物と旅行の情報メディアです。 着物の初心者さんでも読みやすい記事を投稿し、タメになる知識を提供させていただいてます.*・゚⁡

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