「パールトーン加工」という言葉を目にしたことや耳にしたことはあっても、実際どうなのかわからない方もいるのではないでしょうか?
この生地ではパールトーン加工の特徴やメリット・デメリットを解説します。
加工に必要な料金も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
パールトーン加工とは?
パールトーン加工の特徴や概要について解説していきます。
着物に施すガード加工の一種
パールトーン加工は、着物を汚れや劣化から守る「ガード加工」の一種です。
着物の線維に「パールトーン」成分をしみ込ませることで、水や油を弾き汚れを防ぎます。
高価な着物や思い入れのある着物を守りたい方にうってつけの加工です。
株式会社パールトーンが扱っている
パールトーン加工は「株式会社パールトーン」が取り扱っている独自の加工技法です。
株式会社パールトーンは、京都に本社を構え工場・営業所を含め全国9か所の拠点を構えています。
パールトーン加工を提供し、着物愛好家からの評判も高い企業です。
パールトーン加工とガード加工の違い
パールトーン加工と他のガード加工の大きな違いは、線維そのものに成分を染み込ませることです。
一般的なガード加工は着物の表面に膜を張るのに対し、パールトーン加工は線維自体に撥水性を付与します。
これにより水分を弾きながらも空気は通すため、通気性が保たれ快適に着物を着ることが可能となるのです。
パールトーン加工の特徴
パールトーン加工の優れた特徴を分かりやすく解説していきます。
パールトーンを浸透させ撥水加工を施す
着物の繊維にパールトーンを浸透させ、強力な撥水効果を与えるのが最大の特徴です。
繊維一つひとつに成分を浸透させ、汚れの原因になる水分・油分から生地を守ります。
撥水効果は適切にメンテナンスを行っている限り半永久的に持続するため、安心して着物を着用・保管できるようになりますよ。
生地の色味や光沢を損なわずに加工できる
パールトーン加工を施した着物は、加工前後で色味や風合いが変わることなく保てます。
美しい色合いを損なうことなく生地を守ることが可能となるため、気兼ねなく加工を依頼することが可能です。
劣化や汚れで色合いを損ねてしまう可能性もあるため、着物の見た目を大切にする人ほど加工を施すべきでしょう。
加工後も染め替えできる
パールトーン加工は、施工後にも染め替えを行えます。
色落ちや染め替えをしたい場合にも対応できるため、長期間着物を大切にしていきたい方にもぴったりです。
染め替えを希望する場合は他社に相談するより、パールトーンに依頼したほうが安心して行えますよ。
着物をカビや汚れから守る効果がある
パールトーン加工は撥水効果だけでなく、カビを発生しにくくする効果も持っています。
着物は保管中にカビが発生することもありますが、パールトーン加工を施しておけば発生確率を大幅に下げることが可能です。
完全に防止できるわけではありませんが、保管中も着物を綺麗に保ちたい方に役立つでしょう。
パールトーン加工のメリット
パールトーン加工を施すことで得られるメリットを紹介します。
手入れが楽になる
パールトーン加工を実施することで、着物の手入れを楽に行えるようになります。
加工後は繊維が汗や汚れを弾くため、軽い汚れは付きにくく、しつこい汚れも簡単に落とすことが可能です。
通常は気を遣う水を使った手入れも可能となるため、常に綺麗な状態を保てます。
汚れを気にせず着られるようになる
外出先や出席する行事で着物が汚れるのを気にすることなく楽しめるのもポイント。
急な雨や食事の出る行事にも、臆することなく参加できるようになります。
とはいえ、あまりにも強い汚れは生地に残ってしまうため、安心材料程度に考えておきましょう。
金銀糸の変色防止に役立つ
パールトーン加工は変色を防止することにも一役買います。
着物や帯に使用される金銀糸は酸化しやすく変色する可能性があります。
加工を行うことで酸化を防止し、いつまでも綺麗な装飾を保てますよ。
生地が傷みにくくなる
パールトーン加工を施し、生地が撥水性を持つことで、縮みや伸びを防ぐことが可能です。
着物に使用される絹は濡れると縮む性質があるため、撥性を持たせることで生地の劣化を予防できます。
汚れや色合いだけでなく、生地そのものの寿命も延ばせる点は大きなメリットと言えるでしょう。
パールトーン加工のデメリット
パールトーン加工自体に大きなデメリットはありません。
強いていれば施工費用・メンテナンス費用がかかることが挙げられます。
ただし、ランニングコストを考慮しても着物を保護できるメリットが大きいため、前向きに検討しても良いでしょう。
メンテナンスできる店舗が限られる
パールトーン加工を実施した場合、通常のクリーニングでは撥水効果が落ちてしまう恐れがあります。
効果を持続させたい場合、パールトーン加工の取扱店舗にメンテナンスを依頼しなければいけません。
気軽にクリーニングできないところが難点となりますが、加工により汚れ自体が付きにくくなることも考慮しましょう。
パールトーン加工の口コミ
パールトーン加工を実施した方々からは、以下のような口コミ・評価が聞かれています。
・雨が降っても水をはじき、生地が縮まずに済みました
・お茶をこぼしてもタオルで拭くだけできれいになり驚きました
・着物を着ることに抵抗感がなくなり、気軽に楽しめるようになりました
加工を行ったことで満足感を得ている方が多く、効果が高いことも分かりますね!
パールトーン加工を利用する流れ
パールトーン加工は自宅に居ながら加工・お手入れを依頼可能です。
ここでは、オンラインストアから注文する流れを紹介します。
オンラインストアから注文
はじめにパールトーン加工のオンラインストアから注文します。
オンラインストアの「加工・お手入れ」タブから注文内容を選択し、カートへ追加。
クレジットカードを登録し支払いを行います。
自宅に梱包キットが届く
注文が完了すると、およそ一週間以内に自宅へ「梱包キット」が届きます。
中にはポリ袋が入っているので、依頼する着物をポリ袋に収納しましょう。
依頼する商品が2点以下の場合は耐水袋、3点以上の場合は段ボールへの梱包となります。
注文書を記入して着物を発送する
梱包キットに同封されている注文明細書を記入し、耐水袋または段ボールへ張り付け発送します。
発送は佐川急便を使用するため、営業所またはWeb集荷、電話での集荷依頼を利用しましょう。
施工後に自宅へ着物が届く
無事に発送し工場へ到着すると、加工・お手入れされ自宅へ着物が戻ってきます。
返送後は着物の状態や仕上がりを確認しましょう。
加工後に付けられる「加工済みリボン」は、お手入れを受ける時に必要となるため取らないように気を付けてください。
パールトーン加工の料金目安
パールトーン加工の料金目安を紹介します。
加工費用、お手入れ費用、クリーニング+お手入れ費用を表にまとめましたので参考にしてください。
種類 | パールトーン加工 | お手入れプラス | クリーニング+お手入れ |
---|---|---|---|
着物 | ¥15,400 | ¥3,300 | ¥6,600 |
振袖・中袖・留袖 | ¥18,700 | ¥3,300 | ¥6,600 |
襦袢 | ¥11,000 | ¥3,300 | ¥5,500 |
帯 | ¥12,100 | ¥3,300 | ¥5,500 |
羽織・コート・袴 | ¥14,300 | ¥3,300 | ¥6,600 |
三ツ身・四ツ身 | ¥8,800 | ¥3,300 | ¥4,400 |
のしめ・一ツ身 | ¥5,500 | ¥2,750 | ¥4,400 |
子供襦袢・帯 | ¥5,500 | ¥2,750 | ¥3,850 |
のしめ・一ツ身の下着 | ¥2,750 | ¥2,200 | ¥3,300 |
※パールトーン加工時は別途料金で「クリーニング」「抗菌消臭加工」を選択可
送料
一回の注文のうち税込1,980円がかかります。
沖縄・北海道の場合は税込2,750円に変わるため注意しましょう。
なお、注文金額が10,000円を超える場合、送料は無料となります。
まとめ
パールトーン加工は着物を汚れやカビ・劣化から守る優秀な加工技術です。
大切な着物を長持ちさせたい、もっと気軽に着物で出かけたいという方におすすめの加工となっています。
着物を大切にしていきたい方は、ぜひ一度パールトーン加工を利用してみてくださいね。