今回は、他人の着物に口を出す着物警察について紹介します。
現代では、着物を着るときのマナーやルールはあれど、気軽に着用を楽しみたい人も多いはずです*
この記事では、着物警察の特徴や対処法について、あるあると体験談を交えて紹介していきます。
着物警察とは
着物警察とはどのような人を指すのかを一緒にみていきましょう*
他人の着物や着付け方に口出しする人
着物警察とは「他人の着ている着物の色や柄、着付け方に口出しする人」を指します。
着付けの作法に敏感であったり、だらしないと思う着方に対し、お説教や文句を言われてしまう人も少なくありません。
街行く人の着物をチェックしては指導する様子は、まさに「警察の取り締まり」と言えるでしょう。
着物警察は怖い?
SNSなどではよく「着物警察が怖い」という書き込みを見かけます。
理由の多くは、着物警察の多くが「見ず知らずの人が、いきなり自分の着物を指摘してくる」というもの。
突然街中で、知らない人に話しかけられてダメ出しやお説教をされるため、着物の初心者さんや
好きで着物を着ている人が怯えて「着物を着たくない」と思われる要因のひとつとも言えるでしょう。
着物警察のあるある
着物警察がどのような言動をとってくるのか、良くあるシチュエーションや特徴を紹介します。
着物の柄や着方を指摘してくる
着物警察は、着物の柄や着付けの仕方を自分の価値観で指摘してくることが多いです。
「今の季節に合わない柄だ」「その着付けは正しくない」など、厳しく指摘する人もいます。
着物警察は着物のマナーやルールを厳守しているため、口を出さずにはいられないのです。
勝手に人の着付けを直そうとする
着崩れや着付けの甘さを見つけると、着物警察は許可も取らずに着物に触ってきます。
時には帯や衿などを掴まれ、無理やり直そうとしてくる人も。
「トイレに連れ込まれて直された」という方もいるので、トラウマのようになってしまう方もいるのです。
着物や着付け方をバカにしてくる
着物警察の中には、人の着物や着付け方をバカにしてくる人もいます。
「あんなの着物じゃない」「あんな着付けで恥ずかしくないのか」など、聞こえるように小言を言われる場合があるのです。
好きな着物を着ているときにこんなことを言われては、せっかくの気分が台無しになってしまいますね。
着物警察に遭遇した時の対処法
着物警察に遭遇したときのやり過ごし方や言い返し方など、対処法を紹介します!
着物を着る時間を楽しむために、心構えとして覚えておきましょう。
お礼を言ってやり過ごす
着物警察から指摘を受けたときは、お礼を言ってその場をやり過ごしましょう。
なかには、悪意ではなく「教えてあげよう」という目線で指摘してくる方もいらっしゃいます。
「ありがとうございます」と笑顔でやり過ごせば、角も立たずその場を収められますよ。
「結構です」と言い返す
なかなか勇気のいることですが、はっきりと「結構です」と伝えてすぐ立ち去ることも有効です。
着崩れの指摘はありがたいことですが、色や柄・着こなし方はその人の感性で決めているものです。
今の時代、着物は自由にコーディネートする時代ですから、自分の着物に信念を持っていきましょう。
無視する
少々心の痛むやり方ですが、無視することもひとつの方法です。
何を言われても聞こえない・気づいていないフリをし、その場をすぐに立ち去りましょう。
小言やバカにするような言葉も無かったことにして、楽しく過ごすのが一番です。
着物警察に捕まらないためには
着物警察に捕まらないために、意識することや気を付けると良いことを紹介します!
着物のルールとマナーを守る
着物は自由に楽しむものですが、最低限のルールやマナーも存在します。
着物を着ていく場所によって格を合わせたり、場の雰囲気にあった柄を選ぶことも時には必要となるのです。
普段使いで楽しむ分には問題ありませんが、冠婚葬祭などイベントの際は特に気を付けましょう。
なぜ着物にはマナーがあるの?
基本的に周囲の人に不快な思いをさせないよう、相手への心遣いとして着物のマナーは存在します。着方のマナー例として「左前は死に装束」とありますが、これも昔から「日常との”逆さ事”」と呼ばれているため生きている人と区別するように着付けています。
着物は着ているだけでも視線を集めるものであるため、礼儀やマナーが問われてしまうのです。
季節に合わせた着こなしにする
着物には、春夏秋冬に合わせたふさわしい柄が存在します。
例えば、春は桜や藤、秋は萩や桔梗といったように、季節の花や植物の柄が該当するのです。
着物警察を気にする場合は、市松や縞模様など、通年で着られる着物を着てみると良いでしょう。
所作に気を付け着崩れを防ぐ
着崩れを防ぎ指摘を受けなくてもいいように、着物の所作に気を付けることも大事です。
大股やガニ股で歩いたり、腕を肩より高く上げてしまったりすると、着崩れを起こし目をつけられてしまいます。
所作を気を付けることは、着物姿を美しく見せることにも繋がるので、普段から気を付けるようにしてください。
着物警察と間違われないための対策
着物が好きな方のなかには、街中で見かける人の着物姿が気になってしまう方もいるでしょう。
あまりにも見過ごせない着崩れなどは、その人のためにも指摘したほうが良い場合があります。
そんな時に着物警察だと思われないためのポイントを紹介します!
優しく褒めながら声をかける
着物の指摘をするときは、優しく褒めるように声をかけながら近づきましょう。
「その柄素敵!」や「似合っている!」と褒められて嫌な気分になる人はいません。
褒めるついでに着崩れを指摘(優しく伝える)等、やわらかな雰囲気で接することが重要です。
許可を取ってから着付けを直す
着崩れが気になったからと言って、急に相手の着物を触ってはいけません。
好意で直そうと思っても、急に触られたり近づかれたりすると、相手はびっくりして怖がります。
「少し着崩れしているから、直しても良いですか?」と、優しく許可を取るようにしましょう。
上から目線の言葉を使わない
着物の指摘をする際は、上から目線の言葉で接してはいけません。
あなたがどれだけ着物歴が長く知識があろうとも、上から目線の言葉は相手のプライドを傷つけます。
丁寧に話しかけ、親切心が伝わるような接し方で着崩れを直してあげましょう。
まとめ
着物警察から捕まると、せっかく着物を着て楽しんでいたのが台無しになってしまいます。
最低限のルールやマナーを守りつつ、自由に着物を楽しみましょう。
ただし、中には本当に親切心で指摘をしている人がいることも忘れてはいけません。
指摘したくなる方も、街中で見かけた場合は優しく教えてあげてくださいね。