冬の和装を楽しみたいけど、12月にどのような着こなしをしたら良いんだろう?
寒い日こそ和装の着こなしを楽しんで冬の外出を楽しみたいですよね。
今回の記事では12月におすすめの着物の色や柄をご紹介します!
防寒対策のポイントやおしゃれがワンランクアップする防寒具についても詳しく解説していますのでぜひチェックしてみて下さいね。
12月に着る着物とは?
12月に着用する着物の種類についてご紹介します。
裏地のある袷(あわせ)のこと
12月の着物は生地を二枚合わせて仕立てられた裏地のついた「袷(あわせ)」です。
袷は生地が二枚重ねになっているため厚手で温かいのが特徴で10月から5月ごろまで着用します。
袷以外には季節が移り替わる初夏の6月と初秋の9月に着用する裏地のない「単衣(ひとえ)」、一年を通して最も暑い7月と8月に着用する透け感のある薄い生地の「薄物(うすもの)」があります。
12月に着たい着物の色
12月におすすめの着物の色について解説していきます!
グレーや紫などの落ち着いた色
冬将軍もやって来る厳しい寒さを迎える12月。
この時期にはグレーや茶、濃緑や紫、黒などのシンプルで落ち着いた着物が魅力を増します。
モノトーン色の着物でシックにきめるのも良いでしょう。
暖かみのある色
あえて暖かみのある明るい色味が入った着物を着るのもおすすめです。
その場合は帯や小物を落ち着いた色にして着物に合わせると上品さが醸し出されて冬の街によく合います。
12月に着たい着物の柄
こちらでは12月におすすめの着物の柄をご紹介します。
柄に季節のアクセントを入れて楽しむことは着物を着る醍醐味でもあります。
柄は着物だけでなく帯にも通じますので、チェックしておでかけを楽しみましょう!
雪の柄
冬の季節をあらわすなら雪の柄がおすすめです。
雪にも色々なデザインの柄がありますのでしっかりおさえましょう!
雪輪(ゆきわ)
雪輪は雪を思わせる丸みのある輪郭に凹凸のついた文様です。
平安時代には誕生していた文様で室町時代には着物の柄として登場、以来人々に愛され続けてきました。
雪輪の中に植物などを描く「雪輪取り」というデザインもあります。
雪華/雪花(せっか)
雪華は雪の結晶を文様化した柄です。
江戸時代に雪の結晶の図鑑『雪華図説』が土井利位(どいとしつら)によって刊行されてから雪華柄が流行し、着物の柄にもなりました。
雪持(ゆきもち)
雪持は草や花などの植物に雪が降り積もっている様子をあらわした柄です。
雪持には「いつかは雪をはね返す植物のしなやかさと生命力の強さ」が描かれており、春を待ち望む想いが込められています。
雪持の植物としてよく描かれるのは柳、笹、松、椿、南天の実などです。
冬の植物の柄
冬の植物の柄の着物はその時期の「旬」をあらわし、おしゃれのアクセントになります。
ここでは雪持柄のデザインになることも多い「笹」、「椿」、「南天の実」について解説します。
笹
笹は冬でも枯れずに葉に緑の色を残し続けることから冬の季節をあらわします。
椿
椿は春の訪れを待つ花といわれています。
椿の花の鮮やかな色が冬の景色を彩ります。
南天の実
11月から12月にかけて実の成る南天。
小さな赤い実が連なる様子は静かな冬を鮮やかに引き立てます。
クリスマスの柄
12月といえばクリスマス!
サンタクロースやトナカイ、ベルやソリー、クリスマスツリーなどクリスマスの柄の入った着物はまさにこの時期に着用したい柄です。
異国情緒あふれる更紗柄
インドで生まれた更紗(さらさ)柄はエキゾチックで彩り豊かな力強さのある文様です。
クリスマスがある12月に着用すれば異国感がよりいっそう感じられる装いになることでしょう。
和装に異国の情緒が合わさって和と洋どちらも楽しむことができます。
12月の着物におすすめな防寒対策
着物は風通しが良いため冬の冷たい空気が入りやすく身体が冷えやすい構造になっています。
でもご安心ください!防寒対策をしっかり行えば身体を冷やすことなく温かくおでかけを楽しむことができますよ。
ここでは着物の下に着用するインナーの防寒対策のチェックポイントをご紹介します!
【インナー防寒対策】上半身編
寒い冬の日に上半身に纏いたいインナーはヒートテックや裏起毛などの保温性が高いインナーです。
ただし着物は袖口や襟元が大きく開いているためインナーが外側から見えて見栄えが悪くなってしまう恐れがあります。
袖は七分袖、首回りは胸元が広く開いたⅤネックやUネックのインナーを選ぶと良いでしょう。
【インナー防寒対策】下半身編
草履を履く場合はつま先が開いたヒートテックタイプのレギンスを選びましょう。
足袋の中に履く足袋インナーや足袋ストッキングも侮れません。
寒さが苦手な方は2枚重ねもおすすめです。
貼るカイロも忘れずに!
カイロを貼って身体を内側から温めましょう!
ただし、いったん着物を着てしまうと貼る位置によってはカイロの取り外しが容易にできないので注意が必要です。
低温やけどしてしまう恐れもあるため、心配な場合は貼らないカイロを用意すると良いでしょう。
12月におすすめな防寒具の種類
12月は着物だけでは寒い季節のため、出歩く際には防寒具があると便利です。
和装の防寒具は防寒機能を持ち合わせていることはもちろんのこと、おしゃれなものが豊富にあるので冬のおでかけをより一層魅力的なものにしてくれます。
ここでは寒さを防ぎ、冬のコーディネートも楽しむことができる防寒具の種類について解説します!
羽織
羽織は着物の上に羽織って装着する衣裳で前部分が開いたかたちになっています。
着用しても着物と帯が正面から隠れずに見えるため、着物・帯・羽織の3点セットでコーディネートを楽しみたい方におすすめです。
また羽織は洋服でいうカーディガンのようなものなのでフォーマルな場でない限り室内で着用することも可能です。
着物コート
寒い日に着物や羽織の上から着用する着物コートの種類をご紹介します。
着物コートは着用部分をしっかり留めて防寒・防汚することができる作りになっているため、着物や帯の部分が全て隠れてしまう特徴があります。
着物コートは羽織と異なり室内では脱ぐことがマナーとなっていますので注意しましょう。
道中着(どうちゅうぎ)
衿の合わせが着物と同じかたちで作られている着物コートを道中着(どうちゅうぎ)といいます。
丈が裾の長さまであるので冷たい外気が入ってくるのを防いでくれます。
道中着はカジュアルな防寒衣裳のため気楽に着用し冬の外出を楽しむことができます。
道行コート
道行コートは衿元が四角形に開いた着物コートで前部分をボタンで留めて着用します。
道中着に比べるとフォーマルな場で着用されることが多いですが、柄によってはカジュアルな着物にも合わせられます。
ポンチョ・ケープ
ポンチョやケープも着物の防寒具としておすすめです。
洋服にも合わせられるので冬の衣裳としてそろえておくと便利でしょう。
手袋
手袋で手先の冷えを防ぎましょう。
特に寒い日は肘まで長さのある長手袋がおすすめです。
冬用足袋
足袋は裏起毛のついた厚手の生地を選ぶと良いでしょう。
厚手の生地でもストレッチのきく冬用足袋であれば歩きやすいため足が痛くなる心配もありません。
防寒草履
防寒草履とはつま先部分に雪除けカバーがついた草履のことです。
雪で滑らないよう底の部分に滑り止めがついています。
カバー部分を取り外すことができる防寒草履であれば一年中使用することが可能です。
ブーツ
保温効果の高いブーツは冬の和装でのおでかけに大変おすすめです。
レトロ感の強いブーツはカジュアルな着物との相性がよく、大正ロマン風にコーディネートを楽しむことができます。
帽子
冬の着物のコーディネートをカジュアルに楽しむのであれば温かい帽子も欠かせません。
ニットで可愛らしさを演出、ベレー帽でレトロ感を出す、など様々なスタイルで着物コーディネートを楽しめます。
マフラー
着物は首元が開いてしまうため首周りの防寒対策にマフラーを使用しましょう。
着物用マフラーである大きめのショールやストールを肩にかければ首元だけでなく上半身を温めることができます。
まとめ
12月の着物でのおでかけは防寒具をしっかり揃えて防寒対策を行えば温かくおしゃれに外出を楽しむことができます。
寒くなればなるほど重ね着を楽しむことができるのは冬の着物のおでかけの醍醐味です。
寒い12月こそ自分らしい和装コーディネートを楽しみましょう。