肌襦袢とは?【初心者向け徹底解説】
着物を着るときに欠かせないアイテム「肌襦袢」。
「肌襦袢って必要なの?」「長襦袢とはどう違うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
肌襦袢は、着物を美しく着こなすために欠かせない和装インナーです。本記事では、肌襦袢の役割や種類、価格相場、購入場所、さらには正しい着方や知っておくと便利な豆知識まで詳しく解説します。
初めての方でも分かりやすいようにまとめましたので、ぜひ参考にしてください!
肌襦袢とは?
肌襦袢の基本
肌襦袢(はだじゅばん)とは、着物の下に着る和装専用のインナーです。和装肌着とも呼ばれ、以下の役割を持っています。
- 汗や皮脂を吸収し、着物を清潔に保つ
- 長襦袢や着物のズレや着崩れを防ぐ
- 透け防止や防寒対策として機能する
- 肌と着物の摩擦を防ぎ、快適な着心地を実現する
特に夏場は汗を吸収し、冬場は保温効果があるため、快適に着物を楽しむためには必須のアイテムです。
また、肌襦袢は綿やポリエステルなどの軽くて通気性の良い素材が使われており、長時間の着用でも快適に過ごせます。
肌襦袢が持つ歴史的背景
肌襦袢は江戸時代から使われていたとされ、当時の着物文化の発展とともに進化してきました。特に武家や町人の間では、清潔さを保つために欠かせないアイテムとされ、和服の下に必ず着用する習慣がありました。
現代では、化学繊維の発達により軽量で吸湿性の高い肌襦袢が登場し、より快適に着用できるようになっています。
肌襦袢の必要性とメリット4つ
汗や皮脂を吸い取る以外にも肌襦袢を着る理由があります。
この章では、肌襦袢がなぜ必要なのか、着用するメリットを見ていきましょう。
汗・皮脂を吸収し、着物を守る
着物の生地は繊細で、汗や皮脂が直接触れると劣化の原因になります。肌襦袢を着ることで、着物へのダメージを防ぐことができます。
裾さばきを良くし、歩きやすくする
肌襦袢の下半身部分には「裾よけ」がついており、着物の裾が足にまとわりつくのを防ぎます。特に浴衣や軽めの着物を着る際には、快適に歩くための重要な役割を果たします。
着崩れを防ぎ、美しい着姿をキープできる
肌襦袢を着ることで、長襦袢や着物のズレを防ぎ、シルエットを整えます。和装初心者の方には、肌襦袢を着ることで着崩れ防止に、ぜひおすすめです。
季節に合わせた快適な着こなしが可能
肌襦袢を着ることで、通気性の確保と保温効果が得られます。
夏場に汗をかいても、肌襦袢が吸い取ることでべた付かず、快適に過ごすことが可能。
また、冬場は保温効果の高い肌襦袢を着ることで、寒さを気にせず着物を楽しめますよ。
- 夏:吸湿速乾性の高い綿や麻の肌襦袢で汗を吸収し、涼しさをキープ。
- 冬:保温効果のある絹やウール混の肌襦袢で暖かさを維持。
肌襦袢の種類
肌襦袢には、大きく分けて以下の2種類があります。
それぞれの特徴を理解できると、自分に合う肌襦袢を選べるようになるでしょう。
セパレートタイプ(肌着+裾よけ)
上下が分かれており、肌着と裾よけを組み合わせて着用するタイプ。自分の体型や好みに合わせて選べるため、慣れている方におすすめです。
【主な素材と特徴】
素材 | 魅力 |
---|---|
綿 | 吸湿性が高く、肌触りが良い |
ポリエステル | シワになりにくく、扱いやすい |
以下の記事では、初心者の方でも安心して肌襦袢が選べるよう、サイズや季節別に肌襦袢の選び方を紹介させていただいております。ぜひ合わせてチェックしてみてください。

2. ワンピースタイプ(和装スリップ)
上下が一体になったワンピースタイプの肌襦袢。「着物スリップ」や「和装スリップ」とも呼ばれます。
着るだけで簡単に準備ができるため、初心者や忙しい方におすすめです。
以下の記事では、着物とりっぷがおすすめするワンピースタイプの肌襦袢をいくつか紹介しております。ワンピースタイプで迷ってしまっている方は、ぜひこちらの記事も合わせてチェックしてみてください。

肌襦袢の着方(基本手順)
肌襦袢の正しい着方をマスターすることで、着物姿をより美しく保つことができます。
肌襦袢を着る手順
肌襦袢は以下のような手順で着用します。
- 和装用ショーツやブラを身に着ける(通常の下着ではなく、和装専用のものを使用すると着崩れしにくい)
- 裾よけを身に着ける(セパレートタイプの場合)
- 肌襦袢を着る(ワンピースタイプならかぶるだけでOK)
また、体型にフィットするようにタオルを巻くなどをして、ボディーラインの凹凸を補正をすると、より美しい着姿になります。
肌襦袢の値段相場と購入場所
肌襦袢の値段相場
肌襦袢の価格は種類や素材によって異なります。一般的な相場としては、1,000円台のものから15,000円を超えるものまで幅広く販売されています。
肌襦袢はどこで売ってる?
- 百貨店(伊勢丹・高島屋など)
- 衣類チェーン店(しまむらなど)
- 大型スーパー(イオン・イトーヨーカドーなど)
- 呉服屋(着物専門店)
- ネット通販(Amazon・楽天市場など)
それぞれの販売店で取り扱う種類や価格が異なるため、用途に合わせて選びましょう。
肌襦袢と長襦袢の違い
肌襦袢と長襦袢はよく混同されますが、それぞれ異なる役割を持っています。
- 肌襦袢:汗を吸収し、着物を守るためのインナー。
- 長襦袢:着物の着崩れを防ぎ、オシャレ要素も加える中着。
長襦袢には半襦袢というタイプもあり、肌襦袢と長襦袢の両方の役割を兼ね備えた便利なアイテムです。
肌襦袢に対するよくある質問
肌襦袢の衿は見せるべき?
肌襦袢に小衿がついている場合、衣紋から少し見えることがあります。
小襟付きの肌襦袢は「衿を見せること」も目的としているため、気にならなければそのままでも問題ありません。
どうしても肌着が見えるのが嫌な方は、小衿のない肌襦袢を選ぶか、衿を切り取って着用することをおすすめします。
衿が気になる方向けの肌襦袢をお探しの方へおすすめの商品はこちら。ぜひチェックしてみてください。

肌襦袢は浴衣にも必要?
肌襦袢を着ることで透けを防ぎ、安心して浴衣を楽しめます。さらに、肌襦袢が汗を吸収してくれるので、浴衣への汗染みを防ぎ、快適に過ごせます。
大切な浴衣を長くきれいに着るためにも、夏用の肌襦袢の着用はおすすめです。
透け防止や汗対策にもなるので、ぜひ取り入れてみてください。
以下の記事では、着物とりっぷ編集者がおすすめする夏用の肌襦袢を紹介しています。ぜひこちらも気になる方はチェックしてみてください。

まとめ
肌襦袢は着物を快適に楽しむために欠かせないアイテムです。
「透け防止」「汗対策」「着崩れ防止」など、多くのメリットがあるため、ぜひ自分に合った肌襦袢を選びましょう!
また、肌襦袢は季節や用途に応じて適切な素材を選ぶことで、より快適な着物ライフを楽しむことができます。初心者の方も、まずは自分の着用シーンに合ったものを選び、少しずつ着物の魅力を深めていってください!