夏用長襦袢の着用時期、長襦袢の素材別の特徴や洗える素材、長襦袢の洗い方について解説していきます。
汗でベタベタする季節を快適に過ごすためには、着物の中に着る襦袢選びが大切です。
おすすめの長襦袢をご紹介しているので、自分に合う長襦袢を見つけてみてください。
夏用長襦袢とは?いつから着用できる?
まずはじめに、夏用長襦袢とはどんなものなのでしょうか?
「夏用の長襦袢」と「冬用の長襦袢」の違いをご紹介します。
着用時期についても解説しているのでチェックしてみてください。
夏用の長襦袢とは
夏用の肌襦袢は汗をかく夏の季節に適した、吸水性や速乾性の効果が高い素材や、サラッと着られる薄手の生地を使用した襦袢です。
7月8月に着る「薄物」の着物は、涼しげで透けやすいものが多く、中に着ている長襦袢が見えてしまう場合があります。
夏用と冬用の違いは?
長襦袢の夏用と冬用の違いは、袖が2枚か1枚かの違いです。
1月から5月、10月から12月で着用する「袷」の着物は、長襦袢の袖が2枚。
6月から9月まで着用する「単衣」の着物は、長襦袢の袖が1枚になります。
夏用の長襦袢の着用時期
の着物を着用するので、長襦袢も同じく袖が1枚のものを選びます。
近年、温暖化などの影響で1年通して温かい時期が増えてきたため、普段着やおしゃれ着で着物を楽しむ場合は、自分が快適に過ごせる長襦袢を選んで大丈夫です。
【素材別】夏用長襦袢の特徴
夏用の長襦袢を素材別でご紹介します。
素材によって着心地や性能で変わるので、自分に合いそうな素材を見つけてみてください。
麻
麻は吸水・吸湿性に優れているので、汗をかきやすい季節でも肌に張り付かずサラッと快適に過ごせます。
シワになりやすいといったデメリットがありますが、ハリがあり生地の強度が高いので、洗ってもダメージが少なく長持ちしやすいです。
綿
綿は、和服に関わらず洋服でも多く使われる素材です。
吸収・吸湿性は、麻と比べると弱いですが、しっかりとあるので、麻特有の硬さが気になる方は綿素材の長襦袢をおすすめします。
絹
絹は、身体にそっと寄り添う、しなやかでドレープが優しい素材で、シワになりにくいのが特徴です。
吸収性はある程度ありますが、真夏だと絹特有のしなやかさが、時として肌に張り付き不快に感じる場合があり、絹は手入れしにくく、クリーニングに出す方が多いのが難点。
なめらかで優しい素材を探している方は、ぜひチェックしてみてください。
化繊(化学繊維)
ポリエステル等の化学繊維で作られた長襦袢は、自然素材の長襦袢より安価で手に入ります。
化繊は吸収性があまりないので、夏だと少し夏がこもりやすいのが難点。
暑い季節は汗をかきやすいので、長襦袢を頻繁に洗いたい方におすすめです。
❒ 安く手に入れたい方
上記2つを優先される方は、化繊の長襦袢がおすすめです
夏用の洗える長襦袢は?
夏用の洗える長襦袢をご紹介します。
素材によって洗えない素材もあるので、頻繁に長襦袢を洗いたい方は素材をチェックしましょう。
麻・綿・ポリエステルの長襦袢は洗濯可能
自宅で気軽に洗濯できる長襦袢は、麻・綿・ポリエステルの3点です。
どれも生地が丈夫なので、自宅で洗っても生地のダメージが少ないのが特徴となります。
自宅で洗うときはしっかりと洗濯表示を確認しましょう。
【注意】絹の長襦袢は洗濯NG!
絹の長襦袢は洗濯しないほうが良いでしょう。
絹は繊細な素材なので、水に弱く縮みやすいため、洗濯すると全体的に縮んでしまい、着用できなくなる可能性があります。
長襦袢の手入れに慣れている方は自宅で洗うこともありますが、基本的に絹の長襦袢はクリーニングに出したほうが良いでしょう。
夏用のおすすめ長襦袢5選
夏用のおすすめ長襦袢をご紹介します。
素材や金額など、自分に合う長襦袢を探してみてください。
つゆくさ|大うそつき長襦袢
着物初心者さんにおすすめの長襦袢「大うそつき長襦袢」
種類が豊富で着用する着物や季節によって長襦袢を選べるので、自分に合う長襦袢を見つけられます。
洗濯できるのでお手入れもとても簡単で、畳んでしまわなくていいので、片付けも楽ちんです。
KIMONO MODERN|爽sou
夏でも着られる、3シーズン対応の長襦袢。
自然素材の綿麻なので、暑い夏にもさらりと着用できます。
また、色付きの長襦袢をゲットしたい方にもおすすめです。
夏着物は透けやすいので、長襦袢の色にもこだわりたい方はゲットしてみてください。
きもの屋|本麻長襦袢
暑い夏を快適に過ごしたい方は、こちらの商品は肌がベタつかずサラッと着られるので、汗が気になる方はぜひこちらの麻100%の長襦袢がおすすめです。
また、洗濯機OKで、洗濯しても乾きやすいのでお手入れも簡単です。
紙人形|五本駒絽
美しい衿元を目指す方におすすめの商品です。
特殊縫製により、初心者の方でも美しい衿カーブを作れます。
ポリエステル素材なので、クリーニングに出さずに丸洗い可能です。
着崩れしたくない大切な日用に、1枚持っておくと便利でしょう。
京越|高島クレープ
とにかく安い襦袢が欲しい方におすすめです。
安い襦袢はポリエステルが多いですが、こちらの商品は綿100%です。
長襦袢ではなく半襦袢ですが、半衿付きなので着物の下はこれ一枚で大丈夫です。
気軽に着物を始めたい方は、ぜひチェックしてみてください。
自宅で長襦袢を洗うときのポイント
自宅で長襦袢を洗うときに押さえておきたいポイントをご紹介します。
以下4点を確認していきましょう。
中性洗剤を使用する
長襦袢を自宅で洗うときは、アルカリ性より洗浄力が弱く素材へのダメージが少ない「中性洗剤」を使用しましょう。
普段着でよく使用するアルカリ性の洗剤は、汚れをしっかり落とすために洗浄力の強いため、生地を縮めてしまう原因になるため注意してくださいね。
脱水させすぎない
手洗いではなく洗濯機を使う場合は、脱水の時間を短くしましょう。
脱水すると、どうしてもシワがつきやすくアイロンでも直らない場合があります。
また型崩れの原因にもなるので、長襦袢を脱水するときは30秒〜1分程度で終わらせて、あとはタオルで水分を拭き取りアイロンしましょう。
乾燥機は使用しない
長襦袢の素材は自然素材のものが多く、乾燥機を使用すると縮んでしまう可能性が高いです。
普段着で乾燥機を使用するとき、服が縮んでしまった経験があるでしょう。
ポリエステル素材などの比較的洗いやすい長襦袢もありますが、乾燥機は使わない方が無難でしょう。
濡れた状態で長襦袢をアイロンする
長襦袢に使用する麻や絹などの素材はとても縮みやすいため、乾く前の濡れた状態でアイロンをして縮みを素早く元に戻しましょう。
普段着のように乾いてからアイロンしても、シワが取れない場合があります。
まとめ
この記事では、夏用長襦袢の着用時期、長襦袢の素材別の特徴や洗える素材、長襦袢の洗い方についてご紹介しました。
夏はどうしても汗をかきやすいので、肌に直接触れる襦袢の選び方によって、快適に過ごせるかどうか変わっていきます。
暑い夏でも満喫できるような、涼しげな素材を選んでみてください。