呉服店とは着物とどんな違いがあるのかを初心者でもわかりやすく掲載!
呉服屋の種類や専門店・老舗の違い、メリットなどにもふれていますので、ぜひ参考にしてみましょう!
呉服屋とは?
呉服屋とはどんな場所なのでしょうか?
「呉服屋さんを知らない」といった着物の初心者さんでも分かりやすいようにご紹介します!
着物全般!帯や小物も扱うお店を表す
「呉服」という単語は、もともと「絹織物」という意味で使われていましたが、現在は「着物全般」を表します。そのため、着物や帯、下駄などの和装小物も取り扱っているお店を呉服屋と言うのです。
下記の記事では、呉服とはどんな着物なのかについてご紹介しています。気になる方はこちらもチェックしてみましょう*
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呉服屋と着物屋の違い
呉服屋が着物全般を販売しているお店なのであれば、着物屋とどう違いがあるのかをご説明します。
現代では大きな違いはないが、昔は区別されていた!
そもそも呉服とは、三世紀の中国に存在した国「呉」から伝わった高級品・絹によって作られた織物を指します。
江戸時代、絹は贅沢品として規制され、庶民は麻や木綿で織られたものを着ていました。当時は、呉服屋と着物屋は明確に区別されたものであり、絹織物である呉服を着られるのは、裕福なごく一部の限られた人たちだけだったのです。よって、呉服を身にまとうことは、江戸時代の人たちにとって最高に粋、つまりおしゃれなことでした。
現代になり、洋服に身を包んだ私たちにとって、呉服屋と着物屋に大きな違いはなくなりました。着物を着る機会が少ないゆえに、呉服屋とは「よく知らないけど敷居が高くて入りづらい場所」というイメージを抱く人も少なくありませんが、現代にも通ずるファッション性を知ってもらおうと、近年では初心者でも気軽に入れる呉服店が増えてきました。
呉服屋で着物の持つ奥ゆかしさや特別感に触れ、古来より培われた日本人の「心」に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
呉服屋の種類
呉服を購入できるお店は、主に百貨店と専門店の2つがあります。それぞれの場所で購入するメリットや特徴をご紹介します。
初心者も安心!品揃えが豊富な「百貨店」
初めて着物を購入しようと考えているなら、百貨店に入っている呉服屋での購入をお勧めします。
百貨店の多くは、もともと呉服屋から始まった店でした。そのため現代の百貨店にも、さまざまな種類の着物、帯から和装小物まで、質の高い商品が豊富に揃っています。さらにスタッフの接客の質も高く、初歩的な質問から個人的な要望まで、親身になって相談に応じてくれます。
好みが定まってきたら趣向性の高い「専門店」
基本的に呉服とは、着る人のために特別に仕立てるオーダーメイド品です。着物を着ることに慣れてきたら、より自分の好みを反映させた商品を選ぶために、専門店を利用してみましょう。
人通りの多い大通りにある庶民的なお店から、いかにも老舗といった佇まいのお店まで、専門店といってもさまざまです。一見入りづらそうと感じるかもしれませんが、そこは着物を愛する者同士、心配はいりません。知識豊富なスタッフが親切に説明やアドバイスをくれることでしょう。
呉服屋のメリット
呉服屋で着物を購入するメリットは何があるかをご紹介します!
着物や小物の相談ができる
着物とは「非日常」の感があり、袖を通しただけで、礼を尽くした装いをしていると考えてしまいがちです。
しかし、着物は単におしゃれとしての装いだけでなく、TPOに応じた着こなしが必要です。着こなし一つで無礼と思われてしまうこともあるので、選ぶ際には注意が必要です。呉服屋で着物を選ぶのであれば、どういうシーンで着用したいか、スタッフと具体的に相談しながら決めることができます。豊富な知識をもとに正しい装いを提案してくれるので、TPOを欠いた着こなしになる心配がありません。
帯や小物類は、プラスアルファのオシャレとして、着物を自分らしく着こなす手助けをしてくれます。帯は着物と合わせて問題ないものを、小物類はアクセントとして相応しいものを相談し、トータルコーディネートを提案してもらうのがよいでしょう。
お手入れ方法を教えてもらえる
ネット検索して調べれば、簡単なお手入れの方法を見つけることができます。ただしそれは一般的なお手入れ方法であり、自分の着物に適した方法かどうかは分かりません。
せっかくの大切な着物なのですから、お手入れ方法も専門家に聞くのが一番です。呉服屋ならば、アイテムに応じた適切なお手入れの方法や保管方法を教えてくれます。着物の美しさを損ねないよう、正しい方法を詳しく確認しておきましょう。
アフターフォローサービスを行っていることが多い
着物は、お手入れをきちんとすれば、長く着ることができます。そのため、呉服屋の多くは、着物と長く付き合っていくためのさまざまなアフターフォローサービスが充実しています。
着物にシミや汚れがあった場合は、原則として専門家に任せたほうが安心です。呉服店はしみ抜きやクリーニングなどの専門職への取次を行ってくれます。また、着物が色あせてしまった場合の染め直しや、サイズが変わってしまった場合の仕立直しなど、必要に応じたサービスを行ってくれます。
呉服屋の歴史
呉服屋ができるまでの歴史をご紹介します!
江戸時代にオーダーメイドで着物を作るお店が誕生
江戸時代、呉服は高級品であり、一般庶民には高嶺の花でした。
そこで登場したのが、有名な越後屋呉服店です。現在の三越百貨店の前身ですね。江戸日本橋の目抜き通りに店舗を移した越後屋は、「正札現金掛値なし」という画期的な新商法により、庶民に呉服を広く流通させ大成功をおさめました。
さらに越後屋は、購入した反物をすぐに仕立てる「仕立て売り」、いわゆるオーダーメイドで着物を作るサービスを始めました。着物を仕立てるのは通常とても時間がかかりますが、それをスピード作業でこなす新サービスを展開したのです。このサービスは江戸の人々の間で大流行し、呉服屋が大繁盛する大きなきっかけとなったのです。
まとめ
呉服屋の種類やメリットなどをご紹介しました。現代でいう「呉服」と昔の「呉服」には違う意味があることが分かりましたね*現代の「呉服」という意味になるまでには、様々な歴史が積み重なっていたのでしょう。もし、あなたが街を歩いていた際はぜひ「呉服屋」があったら足を運んでみてください♪きっとそこだけの出会いが見つかるかもしれません。