着物を着てお出かけしよう!着物の初心者さんでも着物をについてわかる「着物とりっぷ」

コーリンベルトとは【特徴とメリット】種類・使い方・胸紐との違いなどをご紹介!

コーリンベルトは簡単で美しい着付けを実現するために開発されました。

着付け初心者の方や、紐を使った着付けが面倒、という方にもおすすめのアイテムです。

こちらでは、コーリンベルトの特徴、メリット、紐で結んだ時との違いなどを徹底解説していきます。

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コーリンベルトとは

コーリンベルトの画像

コーリンベルトとは、ゴムベルトの両端にクリップが付いている和装道具です。

胸紐の代わりに使うことで、衿をきれいに整えるほか、着崩れが起きにくい効果があります。

コーリンベルトは簡単で便利な道具として着付け教室でも使用されています。

コーリンベルトの由来

着付けをしている女性の写真

コーリンベルトは昭和32年、京都出身の和装研究者・高林三郎さんによって開発されました。

コーリンベルトの名前は高林さんの苗字を音読みした「コーリン」から名付けられています。

高林さんは戦後女性の洋装化が進み、着物文化が衰退するのを懸念し、誰でも簡単に着付けができて、なおかつ着崩れを防ぐためにクリップ付きのゴムベルトを考案したのです。

ここが便利!コーリンベルトのメリット

訪問着を着た女性が右手を振っている写真

コーリンベルトを使った時の便利なメリットを詳しくご紹介します。

着崩れや締付けを防ぐ

紐を使用する着付けの場合、紐が緩むと着崩れを起こすほか、紐を何本も使ってギュウギュウに締め付けてしまうと、苦しく感じます。

コーリンベルトを使用すれば、締め付けることなく、しっかりと固定してくれるので着崩れを防ぎます。

また、サイズの調整がしやすいため、苦しい紐の締め付けもありません。

サイズの調整が簡単

サイズ調節が簡単なコーリンベルトは、どんな着物でもしっかりと衿元を押さえてくれます。

着付け中も、衿の状態を見ながらベルトの位置や長さの微調整ができて便利です。

着物にも襦袢にも使える

コーリンベルトは襦袢の着付けにも使えて便利です。

衣紋抜きにコーリンベルトを通して固定することで、衿抜きも簡単に行なえます。

衿幅が調節しやすい

コーリンベルトは半衿を大きく広く見せたい時に役立つアイテムです。

コーリンベルトは巻いた後からでも長さの調節ができるため、半衿の大きさを見ながら自分の好みの衿幅に手直しができます。

おはしょりの処理が簡単

おはしょりの処理が簡単にできるのもコーリンベルトのメリットです。

下前の部分を内側に折りたたみ、その上からクリップを留めることで、おはしょりがモコモコせずにすっきりとまとまります。

コーリンベルトの使い方とコツ

着付けをしている複数の女性の絵

腰紐や胸紐を使う場合、紐を巻いて結ぶだけですが、コーリンベルトの付け方と外し方には少しコツが必要です。

しかし、一度覚えてしまえば紐よりも簡単でスピーディーに着付けが行なえます。

付け方の手順

コーリンベルトの付け方の手順は以下の通りです。

  1. 長さの調節を行う
  2. 左の身八つ口からクリップを入れ、下前の衿に留める
  3. 身八つ口からベルトを出し、ぐるりと前に回す
  4. 前に戻ったクリップを上前の衿に留める

クリップ開閉のコツ

クリップを付ける時のコツは、クリップの付け根部分を下に押し倒すことです。

逆に閉める時は付け根部分を水平に戻します。

慣れないうちは着付けの前にクリップを開けておくと、簡単に装着できて時間の短縮になります。

ベルトの長さ調整のコツ

コーリンベルトの長さは肩幅よりも少し長めに設定します。

必ずゴムが一重になっている方を下前に、輪になっている方を上前に付けて下さい。

輪になっている方を下前に付けてしまうと、後から長さの調整ができませんので注意しましょう。

2本使いのコツ

着物用と襦袢用で色違いのコーリンベルトを2本使いにすると便利です。

着物用と襦袢用で色を決めておけば、着付けの際に迷いません。

サイズ調整もあらかじめ着物用は長めに、襦袢用は短めに設定しておけばすぐにつけられます。

コーリンベルト着付け時の注意点

着付けをしてもらっている女性の写真

コーリンベルト使用時の注意点を意識しておけば、美しく快適な着付けができます。

ベルトのねじれに注意

ベルトを巻く際に注意すべきなのが「ねじれ」です。

ベルトがねじれたままコーリンベルトをつけてしまうと、ねじれた部分が体に当たって苦しいですし、着物のシワもうまくとれません。

コーリンベルトを巻く際には、きちんとベルトの向きを確認しておきましょう。

付ける位置の確認

コーリンベルトは、必ず左右のクリップを同じ高さに設定します。

クリップの高さが違うと、衿の幅が均等になりません。

ベルトが水平になるように意識してクリップを留めましょう。

コーリンベルトをつける位置は着物のサイズや個人の体型によって若干異なりますが、一般的にウエストよりやや上で、肋骨の下あたりが良いとされています。

用途に応じたサイズ調整

コーリンベルトのサイズは、着物の種類によって変化します。

浴衣や裏地のない着物(単衣:ひとえ)と、裏地付きの着物(袷:あわせ)では、それぞれ布の厚みが違います。

そのため浴衣や単衣ではやや短めに、袷(あわせ)の着物は長めにサイズを調整しておくと、ゆるすぎて着崩れたり、きつすぎて苦しくなったりするのを防げます。

コーリンベルトのおすすめ商品5選

着物を着てバッグを持った女性の写真

素材や用途に応じて、さまざまなタイプのコーリンベルトがあります。

ご自分の使い方にあったコーリンベルトを選んでみてください。

コーリンベルトデラックス

一般的に使われているコーリンベルトです。

丈夫で割れにくいポリカボネート製のクリップは、振り袖や訪問着など厚い素材の着物もしっかり固定します。

ベルトの色は8種類で、結婚式やお葬式にも使える白と黒も用意されています。

【色】ピンク、ローズ、アカ、スカイ、フジ、ベージュ、シロ、クロ

【サイズ】Mサイズ:約30cm~58cm、Lサイズ:約40cm~78cm

廉価版コーリンベルト

こちらは、デラックスタイプよりも値段の安いコーリンベルトで「エコノミー」と呼ばれています。

デラックスより色の種類やサイズが少なく、クリップやゴムベルトに装飾がないのが特徴です。

【色】ピンク、ローズ、アカ、スカイ

【サイズ】フリー:約30cm~58cm

胸紐つきコーリンベルト

コーリンベルトしっかりは、コーリンベルトと胸紐の機能をあわせ持った和装ベルトです。

通常のコーリンベルトと違い、2箇所で固定するのでその分しっかりと衿を押さえます。

【色】ピンク、スカイ、シロ

【サイズ】Mサイズ:約42cm~74cm、Lサイズ:約52cm~95cm

長襦袢用コーリンベルト

長襦袢用のコーリンベルト結びは、ゴム加工のひだつき布で作られたコーリンベルトです。

こちらのコーリンベルトは幅が広く、柔らかい素材で作られているため、きつい締め付けが少なく、しっかりと衿周りを固定してくれます。

【色】ピンク

【サイズ】Mサイズ:約80cm、Lサイズ:約100cm

夏用メッシュコーリンベルト

メッシュベルトは、夏の着付け用に作られたコーリンベルトです。

通気性の良いメッシュ製のゴムを使用することにより、蒸れを軽減して締め付けの少ない着付けが可能になりました。

【色】ピンク、シロ

【サイズ】Mサイズ:約30cm~58cm、Lサイズ:約40cm~78cm

コーリンベルトはどこで売っている?

着物が並んだ写真

コーリンベルトを売っているのは、主に着物関連のお店や通販サイトです。

最近ではフリマアプリでも買えます。

呉服屋・着物専門店

呉服店や着物専門店では着物小物としてコーリンベルトを販売しています。

呉服店のスタッフの方に相談すれば自分にあったコーリンベルトを選んでくれるので、着付けに慣れていない方でも安心です。

価格:1,000円~2,000円程度

大手通販サイト

通販サイトでもコーリンベルトの購入ができ、実店舗よりも種類が豊富です。

通販サイトの場合、セールやポイントを利用すれば呉服店よりも安く買えるメリットがありますが、料金とは別に送料が必要になります。

価格:1,000円~2,000円程度

フリマアプリ

フリマアプリは呉服店や通販サイトよりも安く、手軽に購入できます

。ただし、通販サイトと同じく送料がかかるほか、使用済みの商品もあるので購入前にきちんと確認しておきましょう。

価格:500円~1,000円程度(変動あり)

他にも、教材としてコーリンベルトを販売している着付け教室もあります。

着付け教室に通われている方は教室にご確認下さい。

100円均一ショップで安く購入できる?

100円ショップの写真

コーリンベルトを100円均一ショップで購入できるか調べてみました。

また、100円均一ショップにはコーリンベルトの代用として使える商品もありますので、ぜひチェックしてみてください。

ダイソー等では取り扱い無し

ダイソーなど100均一ショップでは、残念ながらコーリンベルトの取り扱いはありませんでした。

しかし、100円均一ショップで売っている商品を利用すればコーリンベルトの代用として使えます。

コーリンベルトの代用品3つ

コーリンベルトの代用となる品物は以下の3つです。

これらはすべて100円均一ショップで購入できます。

・包帯

・ストッキング

・帽子クリップ

代用品の使い方

包帯やストッキングは、100円ショップやコンビニエンスストアで手に入れることができるため、コーリンベルトを忘れた時でも外出先ですぐに用意できて便利です。

また、これらの100円ショップで買える商品でコーリンベルトを手作りできます。

包帯や手芸用のゴム帽子クリップを結べば、代用のコーリンベルトが作れるのです。

コーリンベルト以外のおすすめ着付けグッズ5選

和装小物の絵

コーリンベルト以外にも着付けを便利にしてくれるグッズがたくさんあります。

ここでは5種類のおすすめグッズをご紹介します。

ウエストベルト

ウエストベルトはゴム製の腰紐のことです。

バックルで留めるため面倒な紐結びの必要がありません。

アジャスターを使って長さを自由に調節できます。

マジックベルト

マジックベルトは、伊達締めの一種です。

マジックテープを使用しているため、付け方、外し方が簡単でサイズ調整もできます。

Tシャツ半襦袢

Tシャツ半襦袢は、半衿のついたTシャツのことです。面倒な着付けの作業がなく、衿芯をいれて着るだけで襦袢の代わりになりますし、Tシャツとして洋服と合わせて使うこともできます。

半衿用両面テープ

半衿用の両面テープは、簡単に貼れてきれいにはがせる半衿つけ専用のテープです。

半衿を襦袢に縫い付けるのは時間も手間もかかりますが、この半衿両面テープなら、作業が簡単で時間も短縮できます。

おはしょり芯

おはしょり芯は、おはしょり(帯の下の着物の折り返し)をきれいに整えてくれる着付けグッズです。芯をおはしょりの中に入れることで、折り返し部分のふくらみやシワを整えてくれます。

まとめ

ここまでコーリンベルトという和装用具のメリットや特徴をご紹介してきました。

コーリンベルトを使えば、これまで難しかった衿の着付けも簡単にできるようになるため、着付けが楽しくなります。

コーリンベルトの他にも、着付けを簡単にしてくれる便利グッズがたくさんありますので、ご自分のスタイルに合った着付けグッズを利用して、楽しい着物ライフを送りましょう。